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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁

青空文庫

三人は住職の居間へ通って……」

「この六畳だな」

「そうです。住職も納所も虚無僧も女も、みんな一緒に寄り集まって、ここで酒を飲み始めました」

「おめえはそれを何処で覗いていた」

「庭から廻って、あの大きい芭蕉の蔭で……。すると、だしぬけに袂を掴んで引っ張る奴があるので、驚いて振り返ると……」

「お鎌婆さんか」と、半七は笑った。

「お鎌はわたしをむやみに引き摺って、表の玄関の方まで連れ出して、わたしの手に一歩の金を握らせて、さあ早く出て行け、ぐずぐずしているとお前の命が無いというので……。わたしも何だか気味がわるくなって、忽々に逃げて帰りました」

「おめえはお鎌と心安くしているのか」

「別に心安いというわけでもありませんが、あの婆さんは小金を持っているので、時々ちっとぐれえの小遣いを借りることもあるのです。いえ、なに、借り倒すなんていう事は出来ません。あの婆さん、なかなか厳重ですから……」

云いかけて、元八は眼口を撲つ藪蚊を袖で払った。一生懸命の場合でも、ここらの名物の藪蚊には彼も辟易したらしい。半七も群がって来る藪蚊を防ぐ術がなかった。

四

「そこで、話はあと戻りをするが、おめえは何でおれ達のあとを尾けて来たのだ」