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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
たといその小判の全部でなくとも、その一部を鋳潰して、何かの形に変えて置くようなことが無いとも限らない。純金の伸べ棒を芯に入れて、それを大きい蝋燭に作って置くなども、確かに一つの方法であると半七は思った。
金蔵やぶりの盗賊が一人の仕業でないのは、容易に想像されることである。少なくも二人または三人の同類が無ければならない。殊に鋳潰しなど企てたとすれば、まだほかにも同類がありそうである。半七はすぐに子分らを呼びあつめて、江戸じゅうの蝋燭屋と、金銀細工の職人を片っぱしから調べてみろと云い付けた。
「さあ、これからどうするかな」
なにしろ一応は現場を見ておく必要があるので、半七は幸次郎を連れて出た。四月はじめの大空は蒼々と晴れて、町には初袷の男や女が賑わしく往来していた。昔ほどの景気はないが、それでも初鰹を売る声が威勢よくきこえた。
「すっかり夏になりましたね」と、幸次郎は云った。
「寒い時も困るが、おれ達の商売も暑くなると楽じゃあねえ。一体、両国橋の繕いというのは、いつ頃までに出来上がるのだ」
「五月の末……川開きまでにゃあ済むのでしょう。それでなけりゃあ土地の者が浮かばれませんよ」