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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁

青空文庫

女房はそれを真に受けて、早く越前屋へ知らしてやれ、と云う。今更それは嘘だとも云えない破目になって、よんどころなしに表へ出たが、もとより越前屋へ行くわけには行かない。そこでその後の様子を窺うために、川春の店さきへ忍んで行って戸の隙間から覗いていた。勿論、死人に口無しで確かなことは判りませんが、前後の事情から推して行くと、そう判断するよりほかはないんです。

富蔵は一旦気絶したが、川春の店の者が見つけて内へ連れ込んで、水や薬を飲ませると、すぐに息をふき返して、何事もなく済んでしまったのです。そうと知ったら藤吉も安心したんでしょうが、間違いの起るときは仕方がないもので、一生懸命に内の様子をうかがっていると、そこへまた丁度に帰って来たのが亭主の宇三郎です。近所の二階に花合わせや小博奕の寄り合いがあって、いい旦那衆も集まって来る。これを内会と云います。宇三郎もその内会に顔を出して、夜なかに家へ帰ってくると、表には変な奴が覗いている。提灯の灯で透かしてみるとかの藤吉なので、この野郎、今度はおれを殺しにでも来たのかと、襟首をつかんで内へ引き摺り込む。藤吉はうろたえて逃げ出そうとする。