輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
重兵衛は定めて烈火のごとくに怒るかと思いのほか、うわべは静かに落ち着いて、ここでは話が出来ないから兎も角もそこまで一緒に来てくれと云って、万次郎を表へ連れ出した。それはたった今のことだと云うので、孤芳の番人を亀吉に云いつけて、わたくしと幸次郎は近所へ見まわりに出ましたが、今夜は雨催いの暗い晩で、そこらに二人のすがたは見付からない。よんどころ無しに又引っ返して来て、再び孤芳を調べると、下り藤の紋の風呂敷は引っ越しのときに重兵衛が持って来たもので、そのまま自分の家で使っていたと云って、現物を出して見せましたが、縁側や畳に血のあとが残っていることは、なんにも知らない、自分は血の痕とは気が付かず、なにかの汚れだと思っていたと、強情に云い張っているんです。
まさかに引っぱたくわけにも行かないので、孤芳の詮議はそのままにして、亀吉と幸次郎を裏と表に張り込ませて、重兵衛や万次郎の帰るのを気長に待っていました。夏の夜は短いから早く明ける。夜が明ければ、二人は何処からか帰って来るだろう。万次郎を表へ連れ出したのは、孤芳の前では話しにくい事があるからで、まさか殺すほどの事もあるまいと多寡をくくって、まあ頑張っていたわけです。