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すえっこ
末っ子
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《末っ子(すえっこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 頁
平五はまず清鑑堂を訪ねた。
清兵衛は晩酌をしていたらしい。話を聞くと赤い顔をかがやかし、「やりましたか」と膝を叩いた。わが意を得たという口ぶりで、及ばずながら一切の世話をしよう、とにかくあがって、祝いに一杯やって下さい、とすすめた。平五はあとで来ると断わり、細江の住居を訊いた。清兵衛はまた膝を叩き、そうくるだろうと思ったと云って、向う路次の木戸からはいって左の五軒めだと教えた。
「しかし今夜はよしたらどうです、こんな時刻にいってする話じゃあないでしょう」
「いや、ほかにも用があるんだ」と平五は腰をあげながら云った、「ちょっといってすぐ帰って来る、帰ってから話すよ」
細江の住居はすぐにわかった。
路次は狭くて暗かった。長屋のそこ此処で煮炊きをする匂いや、泥溝や、ごみ溜の刺戟的な匂いが漂っていて、平五は空腹を感じると同時に、胸がむかむかした。細江ではもう雨戸を閉めており、平五の声を聞いてもすぐには戸をあけなかった。
「小出平五です」と彼はくり返した、「先日お売りになった短刀のことで話があるのです、清鑑堂へお売りになった短刀です」
娘のみのは母に訊いていたらしく、やがて辷りの悪い雨戸をあけて「どうぞ」