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すえっこ

末っ子

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《末っ子(すえっこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 頁

青空文庫

平五は返辞をしなかった。彼は席次のことではらをたてていた。新庄の叔父が末席にいるのを、誰もなんとも云わないのである。主殿というこの叔父は、父の一人きりの弟で、三十二三になってから新庄へ養子にいった。そんな年まで部屋住でいたのと、養子さきの新庄がひどく貧乏なためだろう、もともと引込み思案な人だったが、みんなの集まるときは不必要にへりくだって、いつも末席の隅のほうに小さくなっている。平五はみかねて上座のほうへ直るように云い、ほかの者にもすすめられると、ようやく席を直すのだが、その日は平五のほかに誰もすすめる者がなかった。長兄の敬二郎などは、平五に向って、「うるさいぞ」と云ったくらいである。

――なにがうるせえんだ、おめえにも叔父に当る人だぜ。

と平五ははらの中でどなった。

――新庄がもっと金持ならへえこらおべっかを使うんだろう、ざまあみやがれ。

そして叔父の主殿に対してもはらがたった。だらしのない人だ、そんなことだからみんなに軽蔑されるんだ、などと思い、ふくれた顔で膳の上の物を喰べていた。

「おい平五」とまた杢之助が云った、「おまえ耳がどうかしたのか」