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とうざいりょうぶんめいのちょうわをろんじてていこくのしょうらいにおよぶ
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
大隈 重信
線上閱讀大隈 重信《東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ(とうざいりょうぶんめいのちょうわをろんじてていこくのしょうらいにおよぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,787 字 · 14 頁
すべて外から来たものは敵である、悪いものであると考えるのが通例となっている。これに続く心理状態は他のものに接してその善きところを取り、悪しきところを捨て、長所を摂して、短所を排するということである。三百七十年前、日本が初めて欧州の文明に接してその長所として取入れたものは兵器、船舶、医術等であった。近時に於てもまた同様であった。なかんずく新知識の根源となった医学の研究が、日本文明に及ぼした効果は最も大なるものであった。それ故に日本の文明は医術から開けたともいわれている。医者が科学として医術を研究するには生理学、病理学、解剖学、延いては物理学、博物学等にも及ばなければならぬのであるから、物質的文明を開いたものは医者であったというも決して過言ではない。緒方洪庵の如き、佐藤泰然の如き、伊東玄朴の如きは皆医学の泰斗であると同時に、また新文明の先駆者であった。また降って日本の思想界に一大変動を与えたる福沢諭吉先生なども緒方の門人で、医者を師としていたのである。その他維新当時の政治家、兵家、外交家には医者に学んだものが少なくない。封建思想の謬れることを科学的に説破したのは、実に医者の知識であった。