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とうざいりょうぶんめいのちょうわをろんじてていこくのしょうらいにおよぶ
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
大隈 重信
線上閱讀大隈 重信《東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ(とうざいりょうぶんめいのちょうわをろんじてていこくのしょうらいにおよぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,787 字 · 14 頁
然るに、不幸にも徳川三代将軍家光の時に至って、鎖国令が発布されて外国との交通は全然杜絶するに至った。鎖国令を出すに至った理由は様々あるが、その中でも主要なものは葡萄牙、西班牙は宗教、即ち基督教の布教に依って海外発展、つまり外国移民を遂行せんとして(現に南北亜米利加、阿弗利加及び印度に布教してその実を挙げた)、日本にもその野心があると幕府に密告する者があったからであるという。其処で幕府は基督教撲滅を断行せんとし、ここに天草の一揆となり、抑圧に対する信仰の争いを生じ、ついに基督教禁令ということになって、全然外国との交通を断絶するようになった。
当時幕府に味方してその応援に参加したものは、新教国たる和蘭であった。ことに天草の乱に和蘭人は船舶を天草の海岸に浮べて幕府側に応援した。この報償として和蘭人だけは鎖国の令を免かれて、長崎の一部を与えられ、この地に商業を営んで盛んに利益を獲得しつつあった。日本人はこれに依って僅かに欧州の文明を窺っていたような次第である。然るに欧州の文明はその後、蒸気、電気、その他種々の発見に依って長足の進歩を示した。この偉大なる文明の力は、日々の如く東洋の孤島に押寄せ来るのであった。