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りゅうきでん
柳毅伝
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《柳毅伝(りゅうきでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,254 字 · 9 頁
武士は毅をその殿堂の隅へ連れて行った。毅はここはどうした所だろうと思って聞いた。
「ここはどこだね」
「霊虚殿でございます」
「大王はどこにいらるる」
「今、元珠閣で、太陽道士と火経を講じておりますから、すぐお出ましになります」
紫の袍を著た貴人が侍臣に取り巻かれて宮門の方から出てきた。
「王様だ」
武士はあわてて走って行って迎えた。紫衣の貴人は静かに入ってきた。毅は洞庭君だと思ったのでうやうやしく拝をした。
「先生がここへ見えられたのは、わしに何を教えてくださるためでございます」
「私は※(「さんずい+徑のつくり」、第3水準1-86-75)川の畔で、大王のお嬢さんにお眼にかかって、手紙をあずかりましたから、それでまいりました」
毅は女からあずかってきた手紙を出して洞庭君の前へ置いた。洞庭君はそれを取って開けて読みだしたが、みるみるその顔が曇っていった。
「これは私の罪だ」
洞庭君は涙の眼を毅に向けた。
「お陰で早く判ってありがたい、きっと報います」
侍臣の一人が傍へ寄ってきた。洞庭君は女の手紙を渡して宮中へ持って行かした。
「女が可哀そうだ」
宮中の方から女達の泣く声が聞えてきた。