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えどかとうきょうか

梵雲庵雑話

淡島 寒月

線上閱讀淡島 寒月《梵雲庵雑話(えどかとうきょうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 頁

青空文庫

こんなのを通り抜けて出ることが出来れば、反物を景物に出すなどが大いに流行ったもので、怪談師の眼吉などいうのが最も名高かった。戦争の後ですから惨忍な殺伐なものが流行り、人に喜ばれたので、芳年の絵に漆や膠で血の色を出して、見るからネバネバしているような血だらけのがある。この芳年の絵などが、当時の社会状態の表徴でした。

見世物はそれ位にして、今から考えると馬鹿々々しいようなのは、郵便ということが初めて出来た時は、官憲の仕事ではあり、官吏の権威の重々しかった時の事ですから、配達夫が一葉の端書を持って「何の某とはその方どもの事か――」といったような体裁でしたよ。まだ江戸の町々には、木戸が残ってあった頃で、この時分までは木戸を閉さなかったのが、戦争の前後は世の中が物騒なので、町々の木戸を閉したのでしたが、木戸番は番太郎といって木戸傍の小屋で、荒物や糊など売っていたのが、御維新後番兵というものが出来て、番太郎が出世して番兵となって、木の棒を持って町々を巡廻し出して、やたらに威張り散し、大いに迷惑がられたものでしたが、これは暫時で廃されてしまった。その番兵の前からポリスというものがあって、これが邏卒となり、巡邏となり、巡査となったので、初めはポリスって原語で呼んでいた訳ですな。