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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁
ちらと私の顔を見ると千鳥足をしながら、懐かしがって片手を挙げた。が瞬間、私に向い合っている少年の姿に眼が留まると、洋盃を手にしたまま電撃を食らったように突っ立った。やがて洋盃を挙げて酔っぱらった仲間の連中とガヤガヤ語り合っているようであったが、思い做しか、やはりどうもパーズレイの眼だけは凝乎と少年の上に注がれているように感ぜられた。不思議なことがあるもんだと思っているとやがて酒のお代りと同時に給仕がはたして、パーズレイの名刺を取り次いできた。心得て起ち上って行くとパーズレイも仲間から抜け出してきたが、カウンターの一隅で顔が落ち合うとまず私のためにパーズレイはハイボールの一杯を注文してくれた。
「どうした、しばらく逢わないな」と言った挙句、人の肘をついて、端然と掛けている少年の方を目配せしながら、「大変な人と連れ立って来たもんだな、どうして知り合いになったんだ?」と眼を円くして聞くのであった。
「ヴィルプールという国から来たんだ。カシミールの側の」
「ヴィルプール? ヴィルプールの王子か」
「王子?」と、今度は私の方が眼を円くした。
「王子とは何だ! 誰が王子なんだ?」