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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁
そして今も言うとおり、ここはちょうどこの山の頂近くになっていたとみえて、かなりの高度もあれば、相当に広闊な平坦地にもなっていたが、山全体には闊葉樹が繁茂し、今登ってきた小径の両側に、橄欖樹が参差交錯して、脚下に海は横たわりながら、眺望が一切利かないのであった。
ただ、樹々の繁みを透して、我々の残してきた駆逐艦の黝んだ姿のみが、ポツンと一隻侘しげに佇んでいるばかりであった。しかも、この山からさらに次の峰に続き、またその隣りの山巓に列なり、それらの山々にはやはり小径がうねうねと木の葉隠れに見え隠れしていた。
樹々が小径の上に枝差し伸べて、枝から枝へは、眼の覚めるほど華美な小鳥が、楽しげに飛んでは囀っている。
「南極圏近くへ来ていながら、まるで熱帯国みたいではないか」と、ルドウィッヒ大尉は呆れながら汗を拭いていたが、
「隊長! もっと行ってみましょう! 行ってみようじゃありませんか!」と、退屈した兵員たちは口々に促し立てた。
あたりは依然として太古さながらの静寂を極めていたが、まだ今までにどこの軍艦も上陸したらしい気配はなかった。
「ようし! ではあの山の頂上まで行ってみるとしよう! しかし万一ということもある。