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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,361 字 · 483 頁
そして右肩は、青銅製の丸環でこの外衣を吊り、外衣は左腰のあたりで緩やかな帯に挟んであるように思われた。少年は下に薄い純白の肉衣を着けていたが、老人の方は素肌にこの外衣を纏うているらしく、頸も右肩もことごとく露出しになっていた。そして二人とも素足に革のサンダルを穿いているのであった。
しかも我々の面食らったのは、ただに奇妙なその服装ばかりではない。二人の言語の全然通ぜぬことであった。というのは、連れて来られたのが欧州人と見て、大尉は丁重に二人に腰掛けを勧め、我々は決して危害を加えに来たのではない。潮流によって漂流したのであるから、船の修繕のできるまでなりとも、しばらくこの地に逗留させてもらいたいということや、もし便宜が与えられるならば、艦の修繕材料や食料なぞも供給してもらいたいが、一体ここはどこの領地で、なんという陸地であるか? ということを、最初は独逸語で尋ね、次は自分でこれを御自慢の仏蘭西語に訳して質ねてみたが、二人には頓と解せぬのであった。大尉は傍に佇んでいた自分を顧みて、これを英語に直して質ねさせたが、やはり通ぜぬのであった。次は露西亜語のわかる二等兵曹を呼び、西班牙語と葡萄牙語のわかる機関兵を選抜し、最後にはフレミッシュ語と和蘭語のわかるもの……しかしそのいずれの言葉も二人には通じなかった。