輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 頁
それが今日はとくべつはっきりと感じられたのである。
二人は、その時間ぶっとおしで、相手をかえずに戦った。稽古やめの合図があった時には、さすがに二人ともへとへとにつかれていた。
二人は、汗みずくになった剣道着をぬぎ、柔道場に通ずる廊下の横に設けてあるシャワーでからだを洗うと、すがすがしい気持になって、いっしょに校門を出た。大山の満月のような顔が、すこし赤味をおびて光っていた。次郎の眼には、それがいかにもゆたかで新鮮だった。
「きょうはいい稽古になったよ。」
歩きながら次郎が言った。
「しかし、つかれたね。ぶっとおしだもの。」
大山が笑いながら答えた。
「君に面をとられると、ぼうっとなるほど痛いが、しかしあのぐらい痛いと却って気持がいいね。」
「そうか。」と、大山は間がぬけたように答えたが、
「君の小手も痛いね。それによくはいるよ。きょうは三対一ぐらいだったかも知れん。」
「そんなことはないだろう。」
次郎は否定しながらも、自信はあった。少くとも二対一ぐらいの差はたしかにあったと思った。しかし、その自信は、彼にとって決して愉快な自信ではなかった。小手取りの名人、――そう考えると、それがそのまま自分の弱点のような気がしたのである。