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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 頁
それは時代の変化ということだ。諸君と再び会うのが、五年さきになるか、十年さきになるかわからないが、そのころには、時代は今とはずいぶんちがっているだろう。あるいは恐ろしいほどの変化を見せているかも知れない。しかもその変化は、私の考えるところでは、決していい方への変化ではないのだ。――」
それまで眼を畳の一点におとしてじっときき入っていた次郎は、何かにはじかれたように、急に眼をあげて先生を見た。
彼は、五・一五事件が起きて二三日もたたないある晩、ひとりで先生をたずねたことがあったが、その時、先生が、いつもにない沈痛な顔をして、張作霖の爆死事件以来、柳条溝事件、上海事変、満州建国とつぎつぎに大陸に発生した事件の真相を説明し、もし日本がこのままの勢いでおし進むならば、道義日本の面目はまるつぶれになるであろう。そして国際的には全く孤立の状態に陥り、国内的には一種の暗黒時代が来るにちがいない。その結果、国運は隆盛になるどころか、或は百年の後退を余儀なくされるかも知れない、とまで極言したことを思いおこしていた。
(先生は今夜思いきって、みんなにそのことを言おうとしていられるのだ。