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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,781 字 · 235 頁

青空文庫

遠慮はいらんからの。」

「有りがとうございます。」

と、大沢は、すぐ笊を自分の方に引きよせた、すると、老人は、

「なかなか活発じゃ。」

と、三人を見くらべながら、茶をついでくれた。

里芋が焼けるまでに、老人は、三人の学校、姓名、年齢、旅行の目的といったようなことをいろいろたずねた。しかし、べつに取調べをしているというふうは少しもなく、ただいたわってやるといったたずねかたであった。恭一も次郎も、しだいに気が楽になって、たずねられるままに素直に返事をした。

「ここの村の若い衆はな、――」

と老人は言った。

「そりゃあ真面目じゃよ。じゃが、真面目すぎて、おりおりこの老人をびっくりさせることもあるんじゃ。今夜も旅の泥棒が村にはいりこんだ、と言って騒いでな。わしもそれで今まで起きて待っていたわけじゃが、その泥棒というのがあんた方だったんじゃ。はっはっはっ。」

三人はしきりに頭をかいた。

やがて里芋が焼け、話がいよいよはずんだ。

老人は、「若いうちは無茶もええが、筋金の通らん無茶は困るな。」と言った。「あすはわしが案内してええところを見せてやる。」とも言った。また、「そろそろ引きかえして、日田町に一晩泊り、そこから頼山陽を学んで筑水下りをやってみてはどうじゃな。