輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《水中の宮殿(すいちゅうのきゅうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 26,533 字 · 52 頁
「え、潜水夫のおかみさんと二人で、すっかり小屋をかたづけておきましたよ」
書生の花井一郎は、綾子から鞄を受取って、雇っておいた自動車に乗せました。
「三人泊れるかしら」
「去年まで七人も泊っていましたよ」
立花博士に信用されて、平泉館発掘の事務所を預っているだけに、花井一郎は若いにしては、なんとなく頼もしい男でした。
「なんか変った事はない?」
「なんにもありませんよ。北上川の堤防はそのままだし、銅板の絵図面は相変らずどこへ行ったかわからないし、――仕方がないからお高さんと二人で、仕事を始めるのを待っているんです。――僕はいつまでここにいても驚きませんよ。退屈なんかするものですか、勉強にはこんなよい場所はないですからね」
花井はこんな事を言っております。来年あたり専検の試験を取るんだと言っている花井には、こんなよい勉強場所はなかったでしょう。
間もなく一同は、判官館の下、木立の中に隠れん坊をするように建てた、発掘事務所の小屋に着きました。
「まア、まア、お嬢様」
そう言って迎えてくれた中年の夫人は、昨年猫間ヶ淵で死んだ潜水夫の配偶で、お高さんという――、白い割烹着に、引詰めた束髪といった、思いの外東京風の女です。