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ほうねんぎょうでん

法然行伝

中里 介山

線上閱讀中里 介山《法然行伝(ほうねんぎょうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 66,110 字 · 131 頁

青空文庫

四十八

西山の善峯寺から、信州善光寺に至るまで十一カ所の大伽藍を建て、或は曼陀羅を安置し、或は不断念仏をはじめて置く。これにみんな供料、供米、修理の足をつけて置いた。これとても全く勧進奉加をしないで諸人の供養物をなげうってこう云うことをしたのである。

宝治元年十一月二十六日年七十一歳でこれも様々の奇瑞のもとに大往生をとげた。

四十八

法性寺の空阿弥陀仏はどこの人であったかわからないが、延暦寺に住んでいた坊さんであったが、叡山を辞して都に出て法然に会って一向専修の行者となって経も読まず礼讃も行わず、称名の外には他の勤めなく在所も定めず、別に寝所というてもなく、沐浴便利の外には衣裳を脱かず、それでも徳があらわれて人に尊まれた。ふだん四十八人の声のよいものを揃えて七日の念仏を勤行し、諸々の道場至らざる処なく、極楽の七重宝樹の風の響、八功徳池の波の音をおもって風鈴を愛し、それを包み持ってどこへでも行く度毎にそれをかけた、又常に、

如来尊号甚分明。十方世界普流行。但有称名皆得往。観音勢至自来迎。

の文を誦して、「ああ南無極楽世界」といって涙を落したという。

念仏の間に文讃をいろいろ誦することの源はこの人からはじまった。