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ほうねんぎょうでん

法然行伝

中里 介山

線上閱讀中里 介山《法然行伝(ほうねんぎょうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 66,110 字 · 131 頁

青空文庫

四十七

霊異のことが数々あるけれども記さず。

勢観房源智は、

「先師法然上人の念仏の義道をたがえずに申す人は鎮西の聖光房である」といわれた。そこで勢観房の門流は皆鎮西に帰して別流を樹てなかったということである。

そのほか安居院の聖覚法印、二尊院の正位房なども自分の宗義の証明には聖光房をひき合いに出したそうである。聖光房の門流を「筑紫義」という。

四十七

西山の善恵房澄空は入道加賀権守親季朝臣の子であったが、十四歳から三十六歳まで、二十三年の間法然について親しく教えを受けた。

この人は弁論の巧者の処があった。自力根性の人に向って、白木の念仏ということをよく云って、自力の人は念仏をいろいろに色どっていけない。色どりのない念仏往生のことを知らない。というようなことを説いた。

津戸三郎は上人が亡くなってからは、不審のことはこの善恵房に尋ねた。関東にはその教化消息が伝わっている。

この聖は非常に恭敬な修行者で、何か不浄のある時などは四十八度も手を洗ったことがある。毎月十五日には必ず二十五三昧を行じ、見聞の亡者をとぶらい、有縁無縁を問わず、早世の人があれば忌日には必ず忘れないで阿弥陀経を読み、念仏をしてねんごろに回向をした。