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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
線上閱讀中里 介山《法然行伝(ほうねんぎょうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 66,110 字 · 131 頁
たり或はほだしを打ったり、或は縛ったり、或は筒をかけなどしていましめておいた。そういった了見かたで是非ともおれは上品上生の往生をしなければおかぬ、というのが専ら評判になり、月輪関白なども、わざわざそのことを法然に尋ねている。
建永元年八月、蓮生は、
「わしは明年の二月八日往生する。もしかく申すことに不審があらば、来て見るがいいぞ」
ということを武蔵国村岡の市に札を立てさせた。それを伝え聞く輩が遠近より熊谷の処へ何千何万という程押しかけて来たが、愈々その日になると、蓮生は未明に沐浴して、礼盤に上って、高声念仏の勢たとうるにものなく、見物の者が眼を澄まして眺めていると、暫くあって、念仏を止め眼を開いて、
「さあ皆の者、今日の往生は少し延期だ、来る九月四日には必ず往生をして見せるから、その日になってやっておいで」
見物の者呆れて、あざけりながら帰って行く。妻子眷属は世間へ対して面目ないことだと、歎いたが、当人は一向平気で、
「なあに、阿弥陀如来のお告げで、延ばしたのだ。自分の了見ではない。九月には間違いないよ」
といっていたが、やがて春夏も過ぎ、八月の末になって少し病気であったが、九月一日空に音楽を聞いて後更に苦痛が無くなって身心安楽であった。