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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,395 字 · 263 頁
やがて僕は、主命もだしがたく、草叢に近寄っていった。そうして、怪人 RamChand 君の出現ということになったのである。
そこで断っておくが、ジェソップ氏は印度語が喋れない。僕も、Indian Press Reader の初級くらいのところ、けだし僕を引っ張り役にしたのも、理由がその辺にあるらしい。が、僕とはいえ……ペラペラやられたら冷汗もののところが、運よく、その青年は正統の英語が喋れた。
かれはすぐ飯を食わすというと懶るそうに起きあがり、のそのそと僕のあとを跟いてきたのである。
それから、僕が日本語でやる生擒の報告中、チャンドを見るジェソップ氏の眼に、失望の色が濃くなってきた。
服装は汚い、それも泥だらけで芬々たる臭気だ。が、顔は、印度アールヤン族の正系ともいう、どう見ても、サンブルプールあたりからのダイヤモンド鉱夫ではない。しかし、人は見かけによらぬという――おそらくジェソップ氏の腹も、同じだったろうと思われる。
とにかく、チャンドの気品は、絶品というに近かった。たとえて云えば、キップリングの“Naulakha”に出てくるラホールの王子――といっても、僕自身には褒め過ぎとは思えない。