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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《潜航艇「鷹の城」(せんこうてい「ハビヒツブルグ」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,395 字 · 263 頁
やがて法水は、側の壁に視線を転じ、そこに立て掛けてある絵を見入りはじめた。
それは百号ほどのもので、数世紀も遡行したと思われるような、暗い色調で描かれていた。事実クイロス教授が持ち出した謎は、この画中において、さらに混沌たるものになってしまったのである。
しかし、特徴と云えば二つほどあって、一人が蒼ざめ、打ち伏して苦悶していると、もう一人は、これは右胸を押え同じような表情をしている。
また、もう一つは、二人とも指の節が太く、髪の毛が薄く、頭が水頭のように膨れあがっていることだった。
足首に描かれた紋様の図
しかし、以上のほかに、もう一つ際立って不思議なものがあったのである。と云うのは、二人とも、双方の足首に上図のような紋様が描かれ、それは――あるいは捺されたと云ったほうが、適切であるかもしれない。
「どうも僕には、クイロス教授の意志というのが、判らんのだがね。しかし、こう離れて見ていると、なんだか怖ろしいような気がしてくるじゃないか。どうやら、ボルルワスキーかニコラス・フェリー――臭いのだが……」
あるいは、朱と暗緑の対比から、発しているのかもしれないが、事実その絵からは、竦ませるような鬼気が迫って来るのだ。