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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁
中村春二先生と私
「植物研究雑誌」には私のいいたいことをどしどし書いた。試みに第一巻からその目次を拾って見ると「植学の語は日本にて作り、植物学の語は支那にて製す」「冬はふきに非ず」「槲か※(「木+解」、第3水準1-86-22)か」「はこねうつぎは箱根山に産せぬ」「蘇鉄は熱帯植物に非ず、椶櫚も亦然り」「きりしまつつじ霧島山に無く、うんぜんつつじ温泉岳に産せず」等々の所論が満載されている。
中村春二先生と私
「植物研究雑誌」はその後、池長氏の方から援助を受けることが困難となり、継続的に刊行することが難しくなったが、私はこれを廃刊することなどは夢想だにもしていなかった。ところがこの時私は、成蹊学園長中村春二先生の知遇を得ることとなり、同誌はその結果枯草の雨に逢い、轍鮒の水を得たる幸運に際会することを得、秋風蕭殺の境から、急に春風駘蕩の場に転じた。
当時の私の記録にも次のようにしたためてあった。
……枯草ノ雨ニ逢ヒ轍鮒ノ水ヲ得タル幸運ニ際会スルコトヲ得テ本誌ハ為メニ蘇生シ今後続々出版スルコトヲ得ルニ至リ秋風蕭殺ノ境カラ急ニ春風駘蕩ノ場ニ転ジタ是レハ全ク中村先生ガ学術ニ忠実ニ情誼ニ厚ク且ツ仁侠ノ気ニ富ンデ居ラルヽノ致ス所デ私ハ同先生ニ向ツテ衷心カラ感謝ノ意ヲ表スルモノデアル……