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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
線上閱讀犬田 卯《犬田卯短編集二(いちろうじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 51,383 字 · 103 頁
お蔭でその親戚では、思わぬ拾いものをしているとか、いないとか。
兼さんがお寺の門の前へまた座り込んだという話を聞いて、私は彼を訪ねて見た。むろん昔の小学校におけるこの同輩を、彼が記憶しているはずはない。
「兼さん! どうだい。」
言葉をかけても、彼は微動だもしない。人語を喪失した石上の修道者か何かのように、じっと前方を見つめたままである。
神様
村の一部を国道が通じている。そこを約一時間おきにバスが通っている。私の部落からその国道へ下りる坂の下に、ぽつんと一軒の家が建てられはじめている。どこからか壊して来たものらしい。聞いてみると、やはりそうで、そしてこれは実に「神様」の家なのであるという。
ある日、僕が国道のところでバスを待っていると、そこの茶店のお主婦さんが、まア、しばらくですね、まだ時間があるようですから、こちらへ腰を下ろしてお待ちなせえよ、と言いながら、もうお茶など汲んで出してくれるのであった。その時、いま見て来た「神様の家」の話をして、いったい、どんな神様なんですかねと訊ねると、へえ、大した神様ですよ、と笑いながら次のようなことを話すのであった。