輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《猫と庄造と二人のおんな(ねことしょうぞうとふたりのおんな)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,020 字 · 131 頁

青空文庫

」

「そしたら、初ちゃん、そっちの部屋から門見張ってて、見えたら直ぐに知らしとくなはれ。頼みまっさ。………」

襖に手をかけてそう云っているうちに、もう庄造はずるずると部屋へ這入って、初子を外へ締め出してしまった。そして、

「リリー」

と云いながら、その前へ行って、さし向いにすわった。

リリーは最初、折角昼寝しているのにうるさい! と云うような横着そうな眼をしばだたいたが、彼が眼やにを拭いてやったり、膝の上に乗せてやったり、頸すじを撫でてやったりすると、格別嫌な顔もしないで、される通りになっていて、暫くするうちに咽喉をゴロゴロ鳴らし始めた。

「リリーや、どうした? 体の工合悪いことないか? 毎日々々、可愛がってもろてるか?―――」

庄造は、今にリリーが昔のいちゃつきを思い出して、頭を押し着けに来てくれるか、顔を舐め廻しに来てくれるかと、一生懸命いろいろの言葉を浴びせかけたが、リリーは何を云われても、相変らず眼をつぶったままゴロゴロ云っているだけであった。それでも彼は背中の皮を根気よく撫でてやりながら、少し心を落ち着けてこの部屋の中を眺めてみると、あの几帳面で癇性な品子の遣り方が、ほんの些細な端々にもよく現われているように感じた。