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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 頁

青空文庫

目にもとまらぬような何かの動作、そこを詩人はまことに敏感に美ととらえて、「五月の挨拶は」というような愉悦と哀愁の綯え合わされたソネットをかくのだから、たしかに詩魂は生活の宝です。うたう心は、人間が精神において真直に立った姿、現象を一旦整理した上での姿として、うたの心はあらわれるから、そこに慰安(コンソレーション)がある、とアランが云っているのも本当です。

文学論とすれば散文の本質を、訴える、かけめぐる、現実追随の叫びとして本質づけて、詩の心と対比しているところに、アランの誤りは在るのですが。アランは、でもその生活の必然から「五月の挨拶は」という詩は知らないのだし、ましてやそれが散文で猶且つどのようにうたわれ得るかを知らないのですものね。かんべんしてやらなければなりますまい。アランのうけうりをして、リアリズムとはと武りんさんの踵について走りまわる人々にも、この「五月の挨拶」のリズムは別の世界のものでありましょう。

こんな詩をくりかえしくりかえしよみ、美しさきわまれば涙もおとして私はいろいろ考えます。自分たちがこれまでよんで来たいく巻かの詩のことについて。