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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 頁
〔中略〕日本の文学史が遠くない昔にさしていた拡大された生活者的我というものを、私は馬鹿正直に追求してゆきます。そこへ自我を解放しようと願います。それは単なる作品のテーマにとどまらず、日本の文学のテーマであり、作家の生涯のテーマであるものだと思いますから。
ああ、どうぞどうぞたのしみながらぎろりぎろりとして頂戴。血路というような性質のものをもとめず、私はやはり行くべき方への道をゆきたいわ。血路というそのものが、文学として、やはり作家個人の範囲の印象です。そうではなくて? 十一月号の作品の批評を都に四回ほどかきます。もう度々いやでことわったけれど、今度は思い直してかくことにして居ります。書くモティーヴは、この数ヵ月間の文学の動揺の波をとおして各作家がどんな自身の道を進めているか、例えば火野が妙な河童物語と極めて幻想的懐古の作品をかいている、そのことと兵隊ものとの間にある時代と文学との問題をみるという風に。平野という人は、目の前に出ている作品だけ云っている、この場合も。河童への興味の一貫性というものが私にはやはり感じられます。芥川の河童、碧梧桐の河童。