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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
処が最近、と云うよりも寧ろ世界大戦終了後の日本産業の好況と、無産運動の発育整頓と、ソヴェート・ロシアに於ける唯物論的新文化のイデーのすばらしい発達の直接影響とによって、マルクス主義乃至唯物弁証法の観念が、従来のアカデミーの自然科学者達の、社会意識ばかりではなく又科学意識そのものを震駭した。そこから自然科学の新しい意味での批判の必要を感ぜざるを得なくなった。科学諸分科の連関総合、科学の社会階級性、科学史の再検討、自然弁証法の反省、科学政策の問題、其の他其の他の関心がアカデミーの内部と、その周囲とに発生した。勿論このことは、決して日本だけの事情ではなくて一九三五年六月にはフランスのソルボンヌ大学に於て科学総合に関する国際会議第一回が開かれ、一九三六年六月にはコペンハーゲンで第二回総会が開かれた(ここでは、因果律を回って物理学と生物学乃至心理学との関係が討論された)事情は世界的である。この動向の動因の主人は、主に唯物論乃至自然弁証法の提唱者側にあるのだが、その反応としてのこの動向に棹さす者は、科学者の社会意識から見て左翼から中間自由主義者を経て右翼分子にまで及んでいる。