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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁

青空文庫

――(以下戸坂潤著『現代日本の思想的対立』六九頁―七六頁援用加筆〔前掲〕)。

さて三六年度の思想界の動向を根本的に決定した事件は、云うまでもなく二・二六事件である。だがこの事件に就ての発表は極めて官僚的な機密主義によって制限されているものであり、又この事件に就いての解説批判は殆んど絶対的に封鎖されている。この言論封鎖は併し独り二・二六事件そのものに就いてばかりではなく、延いて政治的思想的言論全般に就いての箝口令を意味している。文化思想の中枢である帝都は、約半カ年に渡って戒厳令下にあった。この一連の現象が又本年度の思想界の混濁した色調をなしている。

事件発生そのものは、誰がなんと云おうと要するに日本型ファシズムとその躁急な行動とを意味していた。従ってこの事件が如何ように始末されたにしても、とに角この事件の指導精神がなにかの形で跡を残すような結果になった以上、この事件の失敗さえが日本型強力政治への進行を示しているのである。

現に広田内閣の成立は、全くそうしたファシズムの合法的な進行を約束するものだったろう。広田内閣は所謂「自由主義」の排撃を声明した。