輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
線上閱讀本庄 陸男《石狩川(いしかりがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 頁
中流の水はとてつもない大きな塊りであった。ごろんごろんと転げるように動いていた。もくりと崩れる渦巻が強い波紋をひろげていた。
「とにかく何だ――腹をこしらえましょう」
「ほかに路は無いのか」
「ない――ありゃしない――いま歩いて来た通りだ」と、人夫は俯向いて云った。趾の先で土を踏みにじりながら「しかし、向う側には、あることはあるんだが――あちらは何と云っても官のいる方面だ、ひらけかたも早いですねえ、少しまわればイシカリ通いの道にも出られないことはない、それにしても」
川水は刻々増して来るようであった。一瞬のうちに余程ふくれあがったように見えて来た。
「――漕いで渡らなければならぬとすると」と、案内人は顔をあげた。
「渡って貰おう――」と玉目三郎は即座に云った。
「渡りますか?」
「渡る」
人夫はちらと相手の腰のあたりを見た。簑の間から例の脇差がのぞいていた。
「渡りやしょう、思い切って、ほかにゃアどうする手もねえんだ――とにかく、腹をこしらえなくっちゃ」
それからあとの彼らは一言も云わなかった。幅せまく刳りぬかれた舟の長さと波のうねりの大さとは、彼らの眼がとっくに比較していたのだ。