輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あきのしゅぜんじ

秋の修善寺

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《秋の修善寺(あきのしゅぜんじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,167 字 · 11 頁

青空文庫

その袖には赤十字の徽章をつけていた。宿に帰って主人から借りた修善寺案内記を読み、午後には東京へ送る書信二通をかいた。二時ごろ退屈して入浴。わたしの宿には当時七、八十人の滞在客があるはずであるが、日中のせいか広い風呂場には一人もみえなかった。菖蒲の湯を買切りにした料見になって、全身を湯に浸しながら、天然の岩を枕にして大の字に寝ころんでいると、好い心持を通り越して、すこし茫となった気味である。気つけに温泉二、三杯を飲んだ。

主人はきょうも来て、いろいろの面白い話をしてくれた。主人の去った後は読書。絶間なしに流れてゆく水の音に夜昼の別ちはないが、昼はやがて夜となった。食後散歩に出ると、行くともなしに、またもや頼家の方へ足が向く。なんだか執り着かれたような気もするのであった。墓の下の三洲園という蒲焼屋では三味線の音が騒がしくきこえる。頼家尊霊も今夜は定めて陽気に過ごさせ給うであろうと思いやると、我々が問い慰めるまでもないと理窟をつけて、墓へはまいらずに帰ることにした。あやなき闇のなかに湯の匂いのする町家の方へたどってゆくと、夜はようやく寒くなって、そこらの垣に機織虫が鳴いていた。