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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
線上閱讀竹久 夢二《童話集 春(はしがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,531 字 · 97 頁
やれやれとそこで立どまると、あとから今田家と襟を染めぬいた法被をきた男が、留吉の帽子を持って立っていました。「どうも、これはお世話をかけました」と言って留吉がその帽子を受取ろうとしますと、その手をぐっとその男は掴んで「ちょっと来い」と言ってペンキ塗の白い家へ連れてゆきました。椅子に腰かけた人間の眼が十三ほど、一度にぎろっと留吉の方を見ました。それは巡査でした。
「先程電話でお話のあったのはそいつですね」一人の巡査が立ってきて、法被の男に言いました。
「こいつですよ、旦那」法被の男が言いました。
「私はその、なんにも悪いことをしたのではないですよ。その、私は、その、昔の友達を訪ねていったですよ。ただその、眼が、眼がそのヂリヂリヂリっと言ったでがすよ」留吉は巡査に言いました。巡査は髭を引張って言いました。
「お前は今田氏の昔の友達だと言うのだね。それに違いないか、何という名だ」。
巡査は今田氏へ電話をかけました。
「ははあなるほど、昔の友達だなどと当人は申して居りますが……ははあ、いやわかりました。では、とりあえずですな、外に窃盗などの目的はなかったものと推定して、放免することにいたしましょう。