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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
線上閱讀竹久 夢二《童話集 春(はしがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,531 字 · 97 頁
たどんの与太さん
「なんだってお寺の坊さんは、ぼくに與太郎なんて名前をつけてくれたんだろう」
と、與太郎は考えました。
「飴のなかから與太さんが出たよ」街の飴屋の爺さんが、そう節をつけて歌いながら大きなナイフで飴の棒を切ると、なかから、いくらでも與太郎の顔が出てくるのでありました。これには與太郎も困りました。
「よんべ、よこちょの、よたろうは」
そういって、八百屋の小僧まで、與太郎が、八百屋へ大根だの芋だのを買いにゆくと、からかいました。
「あの坊さんは、あれでエライお方なんだよ。あんなエライお方が、名づけ親なんだから、お前は、きっと今にエラクなりますよ」
與太郎のお母さんは、いつもそういいました。加藤清正は加藤清正らしい顔をしているし、ナポレオンはナポレオンらしい顔をしているから、與太郎の顔も與太郎らしいだろうか、與太郎は考えるのでした。だけど、飴のなかから出てくる顔は、どうもよくないや。だけど飴のなかから大そうエライ人が生まれるのかも知れない。キリスト様は、馬小屋のなかからお生れなすったし、ナスカヤ姫は、紅茸から出て来たからな。與太郎は考えるのでした。
「マリヤとグレコは、山へ茸狩にゆきました」