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はんちゅうとしてのくうかんについて
範疇としての空間に就いて
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《範疇としての空間に就いて(はんちゅうとしてのくうかんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 頁
同時に逆に吾々は空間の認識が又どれ程物理学の発展に欠くことの出来ないものであるかを見逃すことは出来ない。かくして物理的空間は単に普通の意味に於ける経験の根本的な要素であるばかりに止らず、やがて物理学に於ける根本概念でなければならない。処が物理学に於ける根本概念は恐らく限りなくあるであろう。併し物理学的空間はそれ等にも増して根本的と考えられなければならない理由を持っている。というのは、物理学が或る一定の方法――方法という意味を最も正当に広く解するとして――に基いて一定の対象を取り扱うのであるとすれば、物理学的空間は単にこの意味に於ての対象に属すばかりではなくして、正に今の広い意味に於ての方法にも属すのでなければならないからである。恰もデカルトが、吾々の知識を深め広めるための最上の仕方は、対象をばまず大小の大きさの比に還元し、次にこの大きさの特殊なもの――延長――の形に於てそれを吾々の心(imaginatio)の前に据えることである、と云ったように、延長は一般に明晰判明な認識への手段であることを認めなければならない(Regulae ad directionem ingenii, ※)。