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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
二十六
二十六
その、旧婚旅行の夜の話合いが実現されて、貞之助が暫くぶりで妙子に会ったのは、九月に這入ってからであった。それまでの彼女は出入りは許されていたけれども、貞之助の眼には触れないようにしていたのであったが、その日は晴れて夕飯の席に連なり、夫婦、親子、姉妹の五人が打ち解けて食卓を囲んだ。幸子と雪子とは、いつぞやお春から聞かされた奥畑の婆やの話が胸にあるので、妙子に対してまだほんとうは釈然としないところもあったが、でも二人ながらもうあの不愉快な問題は忘れることに極めていた。あんなことは貞之助の耳にも入れず、妙子にもそれを持ち出して難詰するようなことはしまい、それよりは自分達にも一半の責任があることを思い、出来るだけ温かい愛情を以て、この変り種の妹の心を和げるようにして行こう、と、別に話し合った訳ではないが、二人の気持が自然とそこへ来ていたので、食堂の空気も至ってなごやかに、近来兎角しめりがちであった家の中に一陽来復した感があり、大人達は皆いつもより酒の量を過した。と、こいちゃん今夜は泊って行きなさい、と悦子が云い出し、その尾について貞之助達も勧めるので、とうとう泊ることになったが、悦子の喜び方は非常で、こいちゃん今夜は悦子の部屋で姉ちゃんと悦子と三人で寝なさいと、こう云う時の癖で、ひどく興奮して燥いだりした