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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

だから、どきんとして眼を瞠った女が、別人であると知って、或る安堵感をおぼえたのである。

座には、白いドレスの洋装女が、二人いた。

金五郎と、新之助とは、肩をすぼめるようにして、末席に坐った。

大黒柱に背をもたせ、腕組みして、一座を、するどい鷹の眼光で眺めまわしているのが、吉田磯吉らしかった。黒い結城の袷羽織、太い綱のような白縮緬の帯、角刈にしている頭髪の下に、利かぬ気らしい、精悍な、面長の顔がある。眉が張り、心持尖った唇が、うすい。

吉田の両方に、劣らぬほどの剽悍な連中が、居ながれている。

(暴力団が、大層、えらそうにしとる)

威圧されそうなものに、反撥するように、金五郎は、強いて、心に、そう呟いた。

吉田磯吉が、山下松次に、なにか、耳打ちした。山下は、ぺこぺこしている。

「おうい、玉井に、森」

「はあ」

「吉田親分が、こっちに来い、って、いいなさっとる。お流れを下さるそうじゃ」

金五郎と、新之助は、吉田の正面に来て、坐りなおした。

「お前たちか」

吉田は、組んだ腕と、据えた眼とに、力を入れるようにして、二人を、無言で、じろじろと眺めた。

「玉井、とか、いうたな。