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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

(どんなことがあっても、二人は目的を達成せずには置かぬぞ)

という、強い決意へ高められた。

光三は、さらに、声を細めて、いった。

「良ッちゃんは、もう、お座敷には出さんし、監禁同様にするらしいわ。きっと、これからは、あなたとも自由には逢えなくなる。妹に用のあるときには、あたしに連絡して頂戴。どんなことでも伝えますけん」

「ありがとう」

勝則は、光三と、別れた。

金五郎とマンとは、祇園祭の夜、息子が帰って来なかったことについて、共通の不安を感じていた。

(光丸のところに、行ったとじゃないか知らん?)

しかし、どちらもが、そのことについては触れなかった。不気味なほどに、宿命的な気持が、金五郎夫婦の受けた衝動を複雑なものにしていて、簡単に、語りあうことが出来なかったのである。人間の意志を嘲笑い、人間の方向を、あらぬ方角へ強力にねじまげる運命の巨大な力については、いやというほど、夫婦は胆に銘じていた。(なんちゅうことか)と、どちらもが思っている。もし、息子が光丸のところへ行ったとすれば、自分たちが、わざわざ、追いやったようなものではないか。光丸と別れる決心をして、旅に出ていたものを、御叮嚀にも、二人が――金五郎も、マンも、別々に、手紙を出して呼び返したのだ。