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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

わかりきっている。

夕刻、金五郎は、勝則とつれだって、帰って来た。にこにこしている。手にぶら下げていた竹の皮包みを、マンに渡して、

「上等の牛肉を、うんと買うて来た。今夜は、家内全部で、すき焼きじゃ。久しぶりで、一杯やるけ、酒の燗もつけちょいてくれ」

そういって、風呂に入った。

「暑いのに、お父さんがすき焼なんか思いたって、……」

マンは笑ったが、大きな丸い飯台に、牛鍋を中心に、一家が揃うと、賑やかで、楽しかった。

総勢十三人である。――金五郎、マン、勝則、良子、闘志、繁子、里美、千博、夏休みで東京から帰って来ている政雄、それに、中村勉と結婚した秀子が、この六月に生まれた共子を抱いて、やって来ていた。これに、ババンと女中とが加わる。

「おい、お母さん、一杯、飲め」

金五郎は、マンに、盃をさした。マンがそれをあけて、かえそうとすると、

「勝則にやれ。勝則は、順々に廻せ。飲めても飲めんでも、みんな、盃を取れよ」そして、盃が廻るのを眺めながら、「面白いのう、おれとお母さんとのたった二人から、これだけ増えたとじゃが、……まるで蛆が湧いたようなもんじゃなあ」

そんなことをいって、おかしそうに、笑った。