輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

舟底に、坐る。親船は一段と大きく、高い。給水船なので、甲板が平である。その前部に、大きな祭壇が設けられ、さまざまの供物が飾られている。立ちのぼる線香の煙。この船には、初盆の遺族、来賓、主催者等が乗り、十数人の僧侶がならんで、読経をする。銅銭、鉦、木魚の音。

「出発」

金五郎は、親船の舳に立って、船団を曳航する小蒸気船に、合図をした。

一声の汽笛とともに、舟の列が、港の中心に向かって、動きだす。進みはじめる。

「美しいなあ」

金五郎は、かたわらのマンを、かえりみた。

「ほんとに」

まったく、それは美しかった。

夜の洞海湾を、ゆるい速力で進む船列は、どの舟にも、一杯に、華麗な燈籠提灯の明かりがみなぎって、波にその光をうつしている。やがて、湾内を一巡し、中ノ島の横を抜けて、切戸の燈台の見えるあたりまで、出て行く。

そのころになると、人々の手によって、蝋燭のついたままの提灯が一つずつ、海に流される。上部と下部とは丸い舟のようになっているから、提灯は沈まない。光を学んだ数百の燈籠が、人魂の楽しい舞踊かのように、プカプカと、ゆれながら、海上をただよう。

「また、来年、おいで」