輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《落葉の隣り(おちばのとなり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,877 字 · 57 頁

青空文庫

七

繁次はぼんやりそんなことを思った。

おひさは参吉のもの、と自分でもはっきりきめているのに、おひさが参吉の着物や羽折などを縫っていたりすると、いつものように胸が痛くなる。以前のように耐えがたいというほどではない。いっとき経てば消えてしまうが、その痛みを感じたときの、頼りないような淋しさのほうが、心に残るようになった。

明るいうちから飲みにもゆけず、浅草の奥山へでもいってみようかと思い、着替えをしているところへ参吉が来た。

「ちょっと相談があるんだが」と云って参吉は繁次のようすを見た、「――でかけるのか」

「用じゃあねえんだ、あがってくれ」

「うちへ来てくれないか」と参吉が云った、「ここじゃあ話しにくいんだ」

七

参吉はそわそわしていた。いっしょに家へいってみると、老人も女も留守だった。

「茶でも淹れようか」と参吉が云った、「ちょうど湯が沸いてるが」

「どうしたんだい」繁次は不審そうに参吉を見た、「茶だなんて、珍しいことを云うじゃねえか」

「おれだって茶ぐらい淹れるさ、まあ楽にしないか」

「それはおめえのほうだろう」と繁次は云った、「なんだか今日はようすがおかしいじゃねえか、相談てなあなんだ」