輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

でも、そんな気持も、あるのよ」

「社長だものな」

「そうなのよ。社長でなければ、乞食になるのよ。そして、生きてるわ。今日は乞食の方の気持よ。微風の訪れでもなかったの」

せつ子は胃が悪いから、酒をのむといけないのだと云いながら、かなり飲んだ。そしてテキメンに苦しみはじめた。長平が知人の医者へつれこむと、医者は顔をくもらせて、酒をのむと、ひどいことになるかも知れない、とせつ子を叱責するようにつぶやいた。

せつ子は黙って、医者を見つめていた。顔色を微動もさせずに。そして、自動車をよんで大阪へ戻った。

五

長平は上京した。

その日の夜中に長平の住む茶室の戸をたたいたのは青木であった。

「そろそろ隠れ家を変えなきゃいけないぜ。ここは拙者につきとめられているんだから、アイビキなぞには不都合だし、第一、タカリが怖しいやね」

青木は遠慮なく上りこんで、

「とんだ合邦さね。やってきたのは娘じゃなくて、ジジイなんだとさ。ヤ、コンバンハ」

いくらか酔っているようであった。どっかとアグラをかいて、

「いずれ呼びだしをうけて、お叱りを蒙るんだろうから、手間を省きにきたのさ。