輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
線上閱讀夢野 久作《近世快人伝(きんせいかいじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,469 字 · 157 頁
そうした事実は、明治、大正、昭和の歴史に出て来る暗殺犯人が大抵、福岡県人である実例を見ても容易に首肯出来るであろう。
維新前の黒田藩には、西郷南洲、高杉晋作に比肩すべき大人物がジャンジャン居た。流石の薩州も一時は筑前藩の鼻息ばかりを窺っていた位である。有名な野村望東尼を仲介として西郷、高杉の諸豪は勿論、その他の各藩の英傑が盛んに筑前藩と交渉した形勢は、筆者の幼少の時に屡々、祖父母から語って聞かされた事である。但しそれ等筑前藩の諸英傑が、何故に維新以後、音も香もなくこの地上から消え失せてしまったかという、その根元の理由に考え及ぶと、筆者も筆を投じて暗然たらざるを得ないものがある。
筆者の祖先は代々黒田藩の禄を喰んでいた者だから黒田様の事はあまり云いたくない。しかし何故に維新後に筑前閥が出来なかったか……という真相を明らかにするためには、どうしても左の二つの事実を挙げなければならぬ事を遺憾とする。
一、当時の藩公が優柔不断であった事。
二、黒田藩士が上下を問わず人情に篤く、従って藩公に対する忠志が、他藩の藩士以上に潔白であった事。
ところでここで今一つ、了解しておいてもらわねばならぬ事は、昔の各藩の藩士が日本の国体を知らなかった……換言すれば昔の武士というものは、自分の藩主以外に主君というものは認識していなかっ