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れんかんき

連環記

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《連環記(れんかんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,281 字 · 95 頁

青空文庫

に飽までも他を嘲りさいなむような、氷ででも出来た利刃の如きものもあって、それは定基の身体のあらゆるところを深く深くりまわろうとした。割り口説いて云えば斯様でもあるが、何もそれが一ツ一ツに存在しているのではなく、皆が皆一緒になって、青黄赤白、何の光りともない毒火のとなって迸り出て掩いかかるのであった。そして女は極めて緩く鈍く薄笑いに笑った。それは笑いというべきものであったか、何であったか分らぬ、如何なる画にも彫刻にも無い、妖異で凄惨なものであった。

定基が定基であったなら、一石が池水に投ぜられたのであったから、波瀾淪はここに生ぜずには済まなかったろう。然し寂照は寂照であった、鳥影が池上に墜ちたのみであったから、白蘋緑蒲、かつて動かずであった。今は六波羅密の薄い衣に身を護られて、風の射る箭もとおらざる境界に在るものであった。忍辱波羅密、禅波羅密、般若波羅密の自然の動きは、逼り来る魔をも毒箭をも容易に遮断し消融せしめた。寂照はただ穏やかに合掌した。諸仏菩薩の虚空に充満して居られて此方を瞰ていらるるに対し、奉恩謝徳の念のみの湧き上るに任せた。我に吹掛ける火※(「陷のつくり+炎」