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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁
ただしこの場合においても、団体が大きくなるにしたがい以上のごとき関係は漸々不明瞭になり、ついには良心は全く一種の本能として心の底に残るだけとなってしまう。
前にも述べたとおり、行為に善悪の区別のあるのは団体生活を営む動物のみに限られてあるが、猿などはただ共同の敵に対して身を護るの方便として団体を造っているものゆえ、その団体は決して永久不変のものではない。数個の団体が相対立し相敵視しているためにようやく各団体内の個体が結合しているのであるから、敵がなくなったら、団体はあたかも桶の輪がはずれたのと同じく、たちまち破れて数個の小団体に分裂してしまう。敵国外寇なければ国たちまち滅びるということは、人間の国にも猿の団体にも同様にあてはまる文句である。また昨日までは数個の団体であったものも、共同の大敵にあたるために今日は攻守同盟を結んで、あたかも一大団体のごとくになることもあり、首尾よく敵を打ち滅ぼせば自然に分裂して旧のごとくに復することもあれば、あちらで二団体が同盟を結んだのに対して、勢力平均のために、こちらでは三団体が同盟を結ぶこともあって、団体なるものは世の変遷につれて絶えずその範囲が変ずる。