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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁
約言すれば国と国とが相争うのは本来の常態であって、同盟は単に一時の便法に過ぎぬのである。
この間、ある雑誌を見たところが「国と国との間には法律も道徳もないから、いかなる手段をも遠慮なく用いて、ただ勝つことをつとめよという人があるが、これは大間違いである、現に今日日本は正義のために戦い、露国は真偽かまわぬ国であるから、世界はみな日本に同情を表しておるではないか、正義は実に最強の武器である」と書いてあったが、われらから見るとこれこそ大いに間違った議論である。もし同情というものが言葉だけであるならば何の役にも立たず、決して弱国をして勝たしめるごとき効力はない。かりに先年英国とトランスバールと戦うたときに世界中でトランスバールをほめ立てたと想像しても、決してそのためにかの国が英国に勝ちえたろうとは思われぬ。動物でも甲と乙とが争うときにそのために利益を得るところの丙は必ず喜ぶが、国と国との間も全くそのとおりで、甲乙二国の戦うている間に利益を占め得べき位置に立つ第三者の国が大いに喜ぶのはもちろんである。一国の勝利が自国にも利益をおよぼす時でなければ、決して喜ぶべきはずはない。