輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しぜんかいのきょぎ

進化と人生(下)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁

青空文庫

されば人間にもしも手がなかったならば、決して他の動物に打ち勝ちえなかったであろうが、手だけがあっても肝心の脳の働きが鈍くては、とうてい何ごとをもなしえなかったに違いない。また脳がよく発達し、手が充分に働いても、一人一人が離れて生活していたならば、強敵に打ち勝つ望みは決してなかったのであろう。もっとも発達した今日の人間でも一人ずつに離せば存外弱いもので、それが有力に働きうるのは全く多数の者が力をあわすからである。要するに人類がすべて他の動物を征服して、今日のごとき全盛時代に達しえたのは実にすぐれたる脳と団結とに基因することと言わねばならぬ。

しかるに何物でも立派なものが突然生ずるということは決してない。かならず最初いまだ立派でなかった時代があり、それから一歩ずつ進んでついに立派なものまでにでき上がるのである。人間の脳でも団結性でも、そのとおりであろうが、これを絶えず進歩せしめたのは何であるかというに、われらの考えによれば、それは主として、劣った者を滅ぼし、まさった者のみを生き残らせる自然の淘汰であった。特に団結性のほうは団体と団体との競争が長く続いている間には、そのすぐれた団体のみが勝って生き残り、その劣った団体はことごとく負けて滅び失せるに定まっているゆえ、年月を歴るとともにただ進歩するのほかはなかった