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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁
中へ詰めこむ。かく猿の頬嚢の中に詰めこまれた人参は、天地間に存在する物の一部を区画してその猿が専有しているのであって、頬の中に完全に保護せられてあるから、他の猿はいかに欲しくてもこれを奪い取ることはできず、しかして所有者なる猿はいつでも随意にこれを食うことができるのであるゆえ、これは純然たる私有財産である。また犬が牛の骨をかじっているとき急に主人が呼ぶと、食いかけの骨をまず自分の住む箱のわらの下にかくし、それから急いで主人のいるほうへ走って行くのを見かけることが往々あるが、かかる場合にはこの骨はわらの下にかくされてあるため他の者に奪い去られるうれいはなく、しかも所有者なる犬は帰り次第ふたたびこれをかじることができるのであるから、これもたしかに私有財産とみなしてよろしい。私有財産はすべて保護を要するが、動物が各自これを保護するには、つねに自身にこれを携えて歩くか、または一定の安全な場所に貯えておくかの二法よりない。それゆえ、私有財産を有する動物には、猿のごとくにこれをおのれの身体の一部に詰めこんでいるものと、犬のごとくにおのれの巣の中にかくしておくものとがある。