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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁
二 出発点
また実際に照らしてみても、われらの哲学から見て誤っていると思われる説は、たとえ一時世間から持てはやされることはあっても、時の経るにしたがいその誤りなることが暴露したものがすこぶる多い。それに反しわれらの哲学に基づいて立てた論は、その当時はげしく駁撃せられたにかかわらず、後にいたって着々事実によって証明せられた。さればわれら自身からみれば、われらの哲学がむろん一番正しいもののように思われるが、さらに翻って身を第三者の位地において側面から観察すると、自分の哲学だけが正しくて他の哲学はことごとく誤っていると堅く信じている人間が何千人も何万人もいる中に、自分もその一人として加わっているに過ぎぬゆえ、正しい籤を引き当てるプロバビリテは実に薄弱であることを充分に承知せざるをえない。
二 出発点
哲学は先から先へと連続した思想の一系統であるが、多くの哲学者はまず議論の出発点となるべき基礎を探り求め、それを土台としてその上に理屈を築き上げようとつとめる。河に鉄橋をかけるときには、橋杭をだんだん深くまで打ち込み、もはや決して下るところのない堅固な岩に達すると、それで安心して、杭の上に橋桁をおいたり、欄干をつけたりするが、これはもっとも千万なことで、土台の定まらぬ間は、もちろん重い物をその上に積むことはできぬ。