輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しゅうぶん
醜聞
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《醜聞(しゅうぶん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,900 字 · 46 頁
五
咎めもないし、はっきり事が片づいていたわ、そうでしょ」
五
どこかの離れ座敷で謡曲をうたう声が聞えだした。たいそう張りのある声だが、調子が狂っていてすぐにうたいやめ、たぶん当人だろう、さも愉快そうに笑うのが聞えた。――縁先までこのやの女中が来て、なにか用はないかときいた。功兵衛はあとで呼ぶと答え、女中は去っていった。
「ところがあんたはそうはしなかった」とさくらは続けた、酔いがまわったために、却って舌の動きが自由になった、というような感じであった、「――あんたはあたしを憎むまえに、家名とか侍の面目とか、世間の評判のことを考えたのよ、いまそのとおり頭巾で顔を隠してるように、まず家名や自分にきずのつかないくふうをした、そしてそのとおりうまく隠しとおしたじゃないの、そうでしょ」
「それではおまえは」と功兵衛がゆっくり反問した、「おれに斬られたほうがよかったと云うのか」
「とんでもないわ、ばかばかしい」さくらは鼻柱に皺をよせた、「あたしはかなぶつとくらすのに飽きちゃったのよ、あたしは人間とくらしたかった、あの人は身分こそ小者だったけれど、躯には熱い血がかよっていたし、ときには恥も外聞も忘れる、人間らしい人間だったわ」