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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

賢吉少年は、おとうさんのそばで、そのいさましいありさまを、ながめていましたが、ちょっと、じぶんの船室に用事があったので、そこへおりるハッチの方へいきますと、むこうの、暗い甲板から、ひとりの水夫が、しきりに手まねきしているのに、気づきました。

船のなかの、おもだった人びとや、船員たちは、みんな、一方のふなばたにあつまって、潜水夫をおろす仕事をしていました。電灯もそのへんだけについていて、ほかの甲板はまっ暗なのです。そのまっ暗な甲板から、水夫が手まねきしているので、賢吉少年はふしぎに思いました。

「なんですか。」

とたずねますと、その水夫はにこにこして、

「小林さんが、あっちに待っているんです。ぼっちゃんを、よんできてくれと、いわれましたのでね。」

と答えました。小林さんというのは、むろん、明智探偵の助手の、小林少年のことです。小林少年は、まるい鉄の潜水機にはいって、海底に沈んでいましたが、さっき潜水機が引きあげられ、その中から出て、じぶんの部屋でやすんでいるはずです。それが、どうして、いまごろ賢吉君をよぶのでしょうか。

「小林さんは、どこにいるのですか。